あぶらそば、それは危険な食べ物


ひとたび その魔力から逃れし者も

安堵が思い違いであると気付く時

もはや手後れであることを知る

鼻孔を抜ける悪魔の香り

それは麝香の香りをも軽く凌ぐほどに

人を中枢から崩壊させてゆく

それでも人はその好奇な心を満たす為

油の大海へと身を乗り出してゆくのだ

なんと哀れな存在であることよ



あぶらそばを最後に食してからどれほど経っただろう?もう自分の中ではあぶらそばは
終わったのではないか?という自問が数ヶ月続いていた。
それに食べたくても無いのだ。マルちゃん袋あぶらそば、、、、その芸術的とも言える
あぶらの調合にも再び会うことは許されないのかもしれない。

売れないものは滅んで行く。これは現代社会のルールでもある。でもキングオブ麺の称
号を欲しいままにしたマルちゃん袋あぶらそばが少しずつ消えて行く様を私は凝視する
ことが出来なかった。

そしてついに姿を消してしまった・・・・・。

これほどまでのモノが、人々に簡単に忘れ去られていく、、、、、私は自分の無力さに
苛立ちを覚えた。でもこれが世の条理なのだ。仕方ないのだ。


それから数ヶ月。
何気に覗いたスーパーの冷蔵コーナーで私は信じられないものを発見した。
それはマルちゃん中華銘館あぶらそば!!!

マルちゃん中華銘館あぶらそば!!!
なんだこれは!!!パワーアップしたのか??? 手にとってまたまたビックリ、1人前で278円もするのだ。これは何か秘密があるに 違いない。おお、良く見ると具が付いてるではないか。メンマとチャーシューである。 なんとも豪華な具だぁ!! なにはともあれ、またあの鼻孔を抜ける格調高い香りが味わえるのだ。私ははやる気持 ちを押さえてレジに並んだ。 早速、中を確認してみよう。
中華銘館あぶらそば中身
本当に1人前しか入ってない。スープは袋の色が違う。中身も違うのであろうか? 酢とラー油の組み合わせは同じ物であろう。 ちなみに具は
中華銘館あぶらそば具
こういう感じで少ない。これともう1人前が等価なのかぁぁ! ちょっとぼったくってない? まあいい、味さえ良ければ許してあげるのだ。 ずるずるずる。おお、こ、これはまさしく袋あぶらそばの味、、、、と言いたいところ だが、鼻孔のくすぐり具合が若干足りない。違う、似ているが非なものである。 確かに旨いのだが、ちと物足りない。味は確かにこれなのに・・・。 具も、塩辛いだけで旨い訳ではない。ただでさえ味の濃いあぶらそばにこんな具を付け てどうしようというのか?それに余りにも中途半端でお粗末だ。こんなもん付けずに安 くした方がマシである。具くらい自分で調達してくるぞ。 これでは麻薬患者にシンナーで我慢させるようなものではないか。違う、違うのだ。私 が食べたかったのはこんな刺激の少ないものではない!!! 虚しい、、、。 もはや私の心を埋めてくれるのは「初代マルちゃん袋あぶらそば」以外有り得ない。 その日から、あぶらそばの市内大捜索が始まった。 しかし、無いのだ・・・・・。どこに行ってもラーメンしかない・・・・。 そんな自暴自棄になりかけたときであった。あぶらそばを置いている浜松のスーパーを 東洋水産に質問してくれた人がいたのだ。世の中親切な人というのはいるもんである。 松菱マート/可美店 053-440-0100 (静岡県浜松市増楽町655) 松菱マート/三方原店 053-430-0515 (静岡県浜松市東三方町130−5) 素晴らしい!ありがとう、F田さん!! さて、そうと分かれば行ってみようと思いつつも、なかなか買いに行けない日々が続い ていた。私の禁断症状も日ごとにひどくなり、精神的にも肉体的にもそろそろ限界を迎 えていた。 そんな折、偶然にもザ・コンボ姫街道店に立ち寄った。そして無防備なまま冷蔵ケース を眺めていた私は目を疑った。 ある、、、、あるのだ、、、、、多分、、、、、これは本物、、、、、。
初代あぶらそば
私は震える手で袋を掴むと、そのままレジへと向かった。 ついに、、、ついに、、、、。 中身はおなじみのこういうやつである。
初代あぶらそば中身
そして、早速作ってみた。具は、キャベツ、タマネギ、シイタケ、ベーコン。歯ごたえ が命である。
初代あぶらそば出来上がり図
出来上がりである。わざとらしい湯気がフォトショップであると疑うものに命はない。 さて、食そう。 ぱく、、、、、、もぐもぐもぐ、、、、、、、ふぅぉ〜(鼻から抜ける音)。 こ、これだ、、、これなのだ、、、、、、。
これなのだぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!
うまい、うまい、うま過ぎる。私は一心不乱に食べ尽くした。ああ至福のとき。 こうなると、中華銘館と初代の違いが知りたくなる。 双方の袋を見比べてみよう。 中華銘館 ・麺     130g ・エネルギー 626kcal ・蛋白質   15.2g ・脂質    24.0g ・炭水化物  87.3g ・ナトリウム 2.1g 初代 ・麺     140g ・エネルギー 642kcal ・蛋白質   14.4g ・脂質    29.0g ・炭水化物  80.9g ・ナトリウム 2.3g 原材料は双方同じである。 麺が10g違う。 脂質は中華銘館が具付きにも関わらず5.0gも少ない。つまりよりヘルシー志向に振 ってあるのかもしれないし、ひょっとしたら一般受けを狙うという暴挙に走ってしまっ たのかもしれない。 しかし、香りの素はやはり脂なのだ。ここをケチってしまっては意味が無い。 だいたいこんなもんを好き好んで食うやつがカロリーを気にするはずもないし、一般受 けするものを望んでもいないのだ。刺激なのだよ、刺激。 もっとドバドバと脂を注いで欲しい。 初代あぶらそばが消えないことを切に願う!!!